〜言った!言わなかった!「コミュニケーション分析」〜
「ストレスに強くなろう!」の対人関係療法編の第4回です。
今回は「コミュニケーション分析」、コミュニケーションがうまくいかない原因のお話です。
相手に伝えたと思っていたら、相手が全く理解していなかったことってありませんか?
雨の日、満員電車って嫌ですよね。
濡れた傘が足にあたって「冷たいっ!」と叫びたくなるときってあると思います。
そんなとき「貴方の濡れた傘が私の足にあたって冷たいです。」なんて言えなくて、ギロッとにらみつけてしまったりします。
でも、相手はチラッとこちらを見ただけで、無視してさらに傘を押し付けてきたりします。
対人関係療法のコミュニケーション分析では、問題のあるコミュニケーションとして下記の5つを挙げています。
1.あいまいで間接的な非言語的コミュニケーション
2.不必要に間接的な言語的コミュニケーション
3.自分の言いたいことは伝わったという思い込み
4.自分が理解したという思い込み
5.沈黙
「あいまいで間接的な非言語的コミュニケーション」、これは上の満員電車で私がしたことですね。にらみつけたり、ため息をついたりです。
「不必要に間接的な言語的コミュニケーション」、これは嫌味を言ったり、婉曲的に言ったりすることです。
「自分の言いたいことは伝わったという思い込み」、これははっきりと言わなくても相手が自分の気持を理解してくれるという思い込みです。
本当に伝えたいときは相手に空気を読ませないようにしましょう。
「自分が理解したという思い込み」、これは相手がはっきりと言っていないのに、確認しないで例えば「自分は嫌われている」と思い込んでしまうことです。
「沈黙」、これは言うまでもありませんね。
相手に何かを伝えることはちょっと怖いかもしれません。
言いたいことを我慢するとストレスがたまるけれども、言いたいことを言ってしまうと相手を傷つけると思っていませんか?
そんなときには自分も相手も大切にするアサーションという伝え方を使ってください。
3つのステップの最初、客観的に事実を伝える「濡れた傘が私の足にあたってます」。
次に、自分の気持を伝える「冷たくて困ってます」。
最後に、相手にゆだねる「何とかしてもらえませんか?」
普通の人なら最初の言葉で傘を何とかしてもらえるでしょう。
もちろん伝えることによって、一時的に今より関係が悪くなることもあります。
でも、長期的には必ず良い関係になりますので、大切だと思っている相手には我慢せずに伝えましょうね。
次回は『悲観しすぎないで!「例外探し」』、対人関係療法編はこれで終わり、次回からは解決志向ブリーフセラピー編です。
「どうしてこんなにダメなんだろう」とか落ち込んだことはないですか?
そういうときも、実はうまくいっていることはいっぱいあるものなのです。